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水道水には、浄水場で殺菌のために入れられる「塩素」が含まれており、それが各家庭の蛇口から出てくる水にも「残留塩素」として残っています。
私は残留塩素を測定する試験薬を使い、1リットルの水道水(汲んだ直後)にどれぐらいの残留塩素があるのか?何分、自然放置したら残留塩素が0になるのか?かき混ぜたら早く塩素がなくなるのか?など、毎日飲んでいる水道水の塩素が気になる方へ情報としてお届けできたらと思います。
また、「煮沸」すれば塩素は飛ぶんだ!と、思われている方も多いと思います。でも、実は残留塩素は熱せられると発ガン性物質に変化するという特徴があります。そんなところも含めてご紹介していきます。
水道水の残留塩素測定で使用した水検査セット
今回は”共立理化学研究所の水検査セット”を使用して、水道水1リットルの残留塩素濃度を調べてみました。
このセットの中には、
・全硬度検査パックTH
上記がそれぞれ5本ずつ入っており、今回はCIO/DPを使用しました。
もしご自分でも試してみたいという方は下記↓↓
水はメモリの付いた透明の容器に水1リットルを水道から汲みました。
水道水の残留塩素の豆知識
ここでは共立理化学研究所さんの取り扱い説明書に書いてあった内容と、専門書などで調べた内容を要約してお伝えします。
日本国内の水道法では浄水場で混ぜられた塩素が、各家庭の水道から水が出たときに「0.1mg/L」以上残っていなければならないと決められています。これが”残留塩素”です。
主に塩素は、アンモニウムや鉄の除去、細菌(大腸菌等)などの滅菌の目的で添加されています。
浄水場から各家庭までの距離などにより、中には残留塩素が0.5~1.0mg/Lも残っているところがあるということです。
また、昔から言われている「煮沸による塩素抜き」ですが、残留塩素入りの水を煮沸して高温にすると発ガン性物質の「トリハロメタン」を発生する要因になるようです。
よって、煮沸前に自然に塩素を抜くことが必要となるでしょう。
皮膚に吸収される残留塩素のスピードは恐ろしく早い
残留塩素はなにも飲む水(水道水)からだけ体内に吸収されるだけでなく、皮膚からも吸収されるのです。
次の実験をみてください。ほぼ同時に水道から汲んだ水です。
その片方に10秒だけ指を浸けてみます。
その後、すぐに試薬で残留塩素をチェックすると下の画像のようになりました。
右側が手を浸けたほうで、たった10秒で指に残留塩素が吸収され、試薬チェックでは残留塩素が”ほぼ0に”。驚きで!あっという間に体に入っちゃうんですよ。
左側は手を浸けないほうで、残留塩素が約0.4mg/Lくらいあり、ピンクに変色していました。
この実験結果から残留塩素は皮膚からも吸収され、吸収スピードもとんでもなく早いということがわかります。
これがなにを意味するかと言いますと”お風呂”です。
毎日何気なく入っているお風呂ですが、体から吸収されている残留塩素を考えると少しは対策をしたほうが良さそうです。
とくに赤ちゃん(新生児)や小さなお子さんがいる家庭では考えてみるべきでしょうね。
我が家では小さな子供が2人いるので、水道水は食器洗いと洗濯にしか使わず、飲み水はこのウォーターサーバーを使い、お風呂の塩素抜きにはこの入浴剤を使っています。おすすめですよ。
すこしの間は子供のために好きなタバコもお酒も控えて使おうと考えています。
試薬による残留塩素の濃度測定開始
まずは汲み上げ直後の水道水1リットルから水をパックの中に半分ほど入れる。約10秒ほどで測定できます。
※写真の画質が悪い様に感じられるでしょうが、反応の色が薄いため肉眼ではよくわかるのですが、写真だと光などが反射してよく撮れませんでした。よってこんな感じになったことをご容赦ください。
水道水汲み上げ直後の数値、約0.4mg/Lくらい↓
残留塩素測定5分経過後
5分経過した後に検査パックで再測定、0.25mg/Lくらいです。
残留塩素測定10分経過後
10分経過したのちに再測定、0.1より多いですけど0.12mg/Lくらいかな。
残留塩素測定20分経過後
20分経過したのちに再測定しました。残留塩素は、ほぼ0になりました。
残留塩素測定の結果、水道水1リットルならば自然放置で20分間置けば塩素が遊離することがわかりました。(※地域により若干の違いはあるでしょう)
1リットルの水道水をかき混ぜたら塩素が遊離する時間は短くなるか実験
塩素が抜けるまで20分も待てない!ならかき混ぜたらどうだろうか?というところで実験してみました。
1分間1リットルの水道水をかき混ぜてみました。
1分間かき混ぜた直後に測定!えっもう0.1mg/Lくらいになってる!
かき混ぜた後、5分後の残留塩素濃度は?なんとほぼ0近くになりました。
水道水の残留塩素実験まとめ
この実験でわかったことは、
・1リットルの水道水をかき混ぜれば約5分で残留塩素がなくなる
という結果でした。
特に赤ちゃんのミルク調乳やお茶やコーヒーなどを多飲するご家庭で、「残留塩素が心配だな~!?」と思われているなら、この実験結果はお役にたつと思います。
よくよく考えてみればプールの塩素水を薄めたものを毎日飲んでいることになりますし、いくら安全基準数値内だから大丈夫!と思っても、1度気にし始めると精神的な不安でストレスをため込むことになり、違った意味で不健康になる可能性があるので、不安ならばどうすればそれを解消できるかを熟知し、余計な心配要素を持ち込まないことが重要でしょう。
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