小学生の国語と算数~元教師が教える問題の解き方のポイント
小学生【国語】の文章問題|なぜ?どうして?の部分を導き出すポイント
小学生が国語のテストでつまずくのが「文章問題」です。
漢字の書き取りや読み仮名フリは暗記さえできれば解答できますが、文章問題は読解力が試されるので苦手としているお子様が多いものです。また、文章問題は配点が高い傾向にあるので、ここが解けないとテスト自体の総得点が低くなってしまう傾向にあります。
このページでは、どこに視点を置けば答えを導きやすくなるのか?を中心に、実際の問題を見ながら解説して参ります。
白いへビの夢(出題文章)
良太は一人ふとんに入りスヤスヤとねむりについた。
毎日ゆめを見る良太は「今日はどんなゆめがみられるかな~?」と楽しみにしていた。
しばらくするとゆめの中に太くて長い白いヘビが出てきて、良太の前をゆっくりと通りすぎていった。
「ギャー」
良太はヘビがとても大きいのでこわくなり、ゆめから目ざめてとび起きてしまった。
「お父さん~こわかったよ~」
お父さんのふとんにもぐりこんだ良太は、今見たゆめの話をしはじめた。
するとお父さんは、
「白いヘビのゆめは良いことがおこるしるしなんだ」
「エッそうなの?じゃーこわがることはないんだね?」
良太は、はじめて白いヘビのゆめが良いことのしるしと知ると、さっきまでのこわさも忘れて自分のふとんに戻ってまたスヤスヤとねむりについた。
次の朝お父さんが、どうして白いヘビの夢がよいことのしるしなのかを教えてくれた。
「白いヘビはね、神様のつかいなんだよ。神様が良太にいいことがあるよってゆめの中で教えてくれているんだ」
「へ~そうなんだ~」と良太は喜んだ。そしてその日のテストで良太はなんと100点を取ることができたのです。
その夜も「白いヘビがでてこないかな~」と思いながら良太はねむりについたが、次の朝おきてがっかりしてしまった。
その日のゆめの中に出てきたのがコアラだったからである。
【質問1】なぜ、白いヘビのゆめは良いのでしょう。→答えを導き出すポイント
話を順に追っていきましょう。
・その日は、夢に太くて長い白いヘビが出てきて、怖くなって、お父さんの布団にもぐりこむ
・お父さんは、「白いヘビは良いことが起こる印なんだ。」と教えてくれた
・次の朝、お父さんは、どうして白いヘビの夢がよいことの印なのかを教えてくれた
そこで、お父さんの言ったことを読んでみてください。お父さんの言ったことが答えになります。お父さんは、「白いヘビはね。神様のつかいなんだよ。…」のところ
です。
文章問題を解く場合の大きなポイントですが、
・登場人物の数(人数とだれなのか?)
・状況、境遇、感情
などが小学生の場合の問題には登場する傾向が強く、今回の文章問題ですと良太以外の登場人物はお父さんだけです。
良太は白いヘビがいいことの印なのは何故かということが分からないので、その理由(答え)を知っている人は唯一の登場人物である”お父さん”だけです。
よって、お父さんの行っている言葉を辿れば答えが導き出せることになります。
【答え】
・白いヘビは神様の使いだから
大人には簡単だが子供には難しい理由
子供が文章問題を苦手にする理由のひとつは、実際教科書の文章がつまらない(興味が沸かない)からでしょう。
ですが、漫画などは親が言わなくても進んで読みますよね!そこで「漫画ばかり読んでいるんじゃないの!早く教科書開いて」などと感情的にならず、それを逆手に取って利用する方法もあります。
たとえばお子さんが「ドラえもん」が好きならば、お父さん、お母さんも一緒になって読んで、”それはどうして?だれが言ったの?どうしてそうなったの?”と質問をすることです。
子供は自分が好きなことは積極的に取り組む傾向が強く、それを(漫画を読んでいることをとがめられない)認めてもらうと”やる気”スイッチが入ります。
たとえば・・・
・どうしてお母さんが怒っているの?「約束した宿題をのび太がやらなかったからだよ」
などと、簡単に答えを返してきます。その流れを利用して国語の文章を一緒に読みながら(テストという意味合いではなく)質問をしていけば、嫌な勉強という垣根を超えて進んで取り組む姿勢も見えてくることと思います。
ココでのポイントは、”親も一緒に勉強し直すつもり”でやるといことが重要です。
ロジックではなくニュアンスを大切にする
国語の文章問題を解くのは、テクニック(ロジック)ではなく、ニュアンスです。
ニュアンスとは、変な言い方ですが「なんとなくわかる」ということで、ロジックなどの”こうすればこうなる”というものではないのです。
要するに「ピンッ」とくるということ!
これは言葉では説明がとても難しいのですが、「勘」みたいなものと思っていいでしょう。
私の教師生活から導き出したことですが、生徒にはいくら考えても答えられない子と、逆に理由はわからないけれどわかるという子の2つのパターンに完全にわかれます。
そして「わかる!」その多くが先ほどの漫画の件のように、親が勉強という垣根を超えて常に寄り添いながら質問を投げかける場合が多いようです。
最後にまとめますと、子供が好きなものから強引に引き離して嫌いな方向に向けるよりも、好きなものを生かしながら自然に学習の方へ向かわせる工夫も必要なようです。
話は少しズレた部分もありますが、ここまでお読みくださりまして誠にありがとうございます。